夜の窓辺に向かい合う二つの紙の鳥。間には、言葉にならない空白がある。

AIに会話文を直してもらうと、登場人物がしゃべりすぎる

気まずさまで説明してしまう会話を、言いよどみと動作のある場面へ。AIに渡す情報を絞り、人物の声を残すための推敲メモ。

「もっと自然な会話にしてください」と頼んだのに、返ってきた文章では二人とも自分の気持ちをすらすら説明している。謝る理由も、許せない理由も、今後どうしたいかも全部言う。筋は通っている。でも、書きたかった気まずい食卓は消えてしまった。

こんなときは、もう一度「自然に」と頼むより、何を言わせないか決めたほうが直しやすい。

まず、二人が隠していることを書く

たとえば、姉が実家を売ると決め、弟はその話を近所の人から聞いた場面。弟の目的は「売却を止めること」とは限らない。「自分に先に相談してほしかった」だけかもしれない。一方の姉は、お金に困っていることを知られたくない。

この違いを渡さずに会話だけ直してもらうと、AIは売却の是非を話し合う場面として整えてしまうことがある。そこで、本文とは別に三行だけ添える。

  • 弟は、家よりも相談されなかったことに傷ついている。
  • 姉は、金銭的な事情を隠したい。
  • この場面では、二人とも本当の理由を言わない。

人物紹介を何ページも渡す必要はない。今、この相手にだけ言えないことがあればいい。

台詞を削った場所に、手の動きを置く

次の台詞を考えてみる。

「僕に相談せずに決めたなんて、ひどいよ。家族として信頼されていない気がする」

言いたいことは明確だ。ただ、この弟が普段から感情を言葉にできない人物なら、説明が上手すぎる。

「判子、もう押したの」

姉は湯飲みを流しへ運んだ。

「お茶、まだ残ってるけど」

家の話をしていたはずなのに、お茶の話になる。弟が返事を待っていることも、姉が目を合わせたくないことも、説明せずに残せる。もちろん、どんな人物にもこの書き方が合うわけではない。怒ると理屈っぽくなる弟なら、長い台詞を残す選択もある。

AIには「台詞を短く」だけでなく、「削った感情説明の代わりに、場面にある物を使った動作を一つ」と頼む。動作を増やしすぎると、今度は二人とも湯飲みばかり触るので、一つで十分だ。

三案を混ぜず、一案ずつ比べる

推敲案をいくつも出してもらうと、よい部分を全部使いたくなる。けれど、沈黙を生かす案と、言い争いを強める案を足し合わせると、場面の調子が定まらない。

NovelThreadで案を並べて比べる操作は、複数の書き直し候補とブラインド選択で確認できます。

最初は、方向の違う短い案を二つだけ頼む。そのまま採用するためではなく、「この人物なら、どちらの逃げ方をするか」を考える材料にする。

以下の会話を、二通りに推敲してください。
A案:弟は問い詰めたいが、聞くのが怖くて別の話をする。
B案:弟は怒っているが、姉の疲れに気づいて一度だけ言葉を飲む。
姉がお金に困っていることは、どちらの案でも明かさないでください。
感情を説明する地の文は増やさず、新しい過去や設定も足さないでください。
最後に、元の台詞から削った情報を挙げてください。

[ここに会話文を貼る]

削った情報を確認するのは、伏線まで消していないか確かめるためだ。読みやすくなった文章でも、後の章に必要な一言がなくなっていたら困る。

最後は、名前を隠して読んでみる

耳でも確かめたいときは、読み上げと音声入力の手順で原稿を聞き直せます。

推敲後の会話から話者名を外し、声に出して読む。姉と弟の区別がつくか。二人が同じ長さの文で、同じように事情を説明していないか。「……」を増やしただけで、ためらいを表現したつもりになっていないか。

一往復だけ元の文章に戻してみるのもいい。少し不格好でも、その人物らしい言い回しが残っていることがある。AIの案を読んでから元に戻すのは、無駄な作業ではない。どのぎこちなさを残したいのか、選べるようになる。

免責事項:本記事はNovelThreadを開発するチームが執筆しています。手順の例は架空のものです。機能、対応環境、料金は変わる場合があるため、リンク先の資料をご確認ください。AIの出力は作者による確認が必要です。比較は編集上の提案であり、独立した性能評価ではありません。

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